御国ミーティング【限定記事】
イエス・キリストを信じる信仰によって、罪の赦しと永遠の命が与えられるというのが福音の中心だ。それはまた、来るべき復活後の命についても語っているのだが、今の人生についても語っていて、今日、新しい生き方をするようにと人々を招いている。この新しい生き方とは、人間が行うあらゆることにおいて、被造物を通じてイエス・キリストに仕えるということだ。説教者であろうと、芸術家であろうと、伝道者であろうと、トラックの運転手であろうと、教会の執事であろうと、科学者であろうと、私たちはこの新しい生き方に召されている。私たちは躍動するこの生き方を主にある兄弟姉妹と共有するように召されたのだし、そこに他の人々も加わるよう招いているのだ。
ポール・マーシャル『わが故郷、天にあらず』224頁
神学校での学びの中で、私の「福音」「宣教」「御国」のイメージは大きく変えられました。※(はじめに②祝福といのち (amazingscale.blogspot.com)もあわせてお読みください。
福音とは内面的な事柄にだけ関わるものではなく、その人の心、体、ライフスタイル、社会、自然…この世界のすべてに関わるものなんだということを知りました。
そういう福音を伝えていきたい、そのためには、言葉を使って理性に働きかけるだけの伝道ではなく、生き方全体で御国のライフスタイルを提示していく宣教が必要だ、そう思うようになりました。
けれども、どうしたら良いかはまったくわかりませんでした。私の強みが「言葉」に寄っていたからです。私は読んだり書いたりすることが好きで、理屈で理解できなければ前に進めない性格で、みことばを語っている時が一番イキイキできます。頭の中でパラダイムシフトは起こったけれど、「やり方」に関しては従来の「言葉を使って理性に働きかける」方が向いている、というタイプでした。
試行錯誤している時に出会ったのがHさんでした。お泊り会の食事の奉仕をしてくれたのですが、「この人は炒飯で福音を伝えられる人だ!」と思ったのです。(いま思うと、なんででしょうね。「理屈で理解できなければ」と言っておきながら、これは完全に直感です。勘です)
Hさんは、「自分は生き方でしか福音を伝えられない。言葉で福音を伝えられる人はすごい」と言ってくれました。炒飯で伝えるより言葉で伝える方がずっと簡単だと思うのですが、彼の言葉で、なんでもかんでも一人でやろうとしなくていいんだ、と気づきました。
私の強みは言葉、彼の強みは生き方。自分とは異なる強みを持った人とチームになっていけばいいんだ、と気づいたのです。
(Hさんは普段はらーめんを作りながら福音を伝えている人です)
※私は生き方で伝えなくていい、彼は言葉で伝えなくていい、というわけではありません。もちろん私も生き方で伝えるし、彼も言葉で伝えるけれど、何もかも突出して優れている必要はない、ということです。
Hさんは「キリスト教都市」というビジョンを持っていました。「キリスト教都市」というビジョンは私の「あり得ないスケールで祝福を広げる」というビジョンと重なりました。仲間がいた、と思いました。
しばらくしてHさんから神の国を広げていくためのみことばの訓練をしてほしい、と頼まれ、個人的な聖書の学びを始めました。これが「御国ミーティング」の前身です。
2人で聖書を読みながら「キリスト教都市」の建設のために祈り始めました。
申命記まで読み進め、Hさんの仕事の都合と私の体調の悪化が重なって学びをストップさせていた時に登場するのがTさんです。
TさんがHさんの通う教会に集うようになり、二人でいろいろなことを話すようになったそうです。そして、宣教のためのビジネスを始める、ビジネスによってキリスト教都市を広げていく、という計画を建てていることを聞かされました。
もちろん、私も乗ります。
そして、それまではHさんと二人でやっていた聖書の学びを三人で始めることになりました。これが「御国ミーティング」です。
どこに、どんなふうに、ということはまだ決まっていません。「府中にカフェを出す」「キリスト教都市を建設する」それだけです。ですが、最強のチームはできました。
この最強のチームの中で、私が担うのは”聖書”です。どんなに優れた能力を持つ人が集まっても、目的が一致していなければチームとして機能しません。聖書から目的地である「キリスト教都市」をイメージし、チームとして譲れないところを明確化していく。そのためにお互いの違いを楽しみ、尊敬し合いながら一緒に聖書を読んでいく。そこを導いていくのが私の役割だと思っています。
私はずっと学校で働いてきたのでビジネスに関しては素人です。ですが、わからないところやできないところはプロである二人に任せつつ、私は私の強みを生かして働いていきたいと思っています。
そして、いずれはチャプレン(教会以外の場所で働く牧師)のような働きをしていきたいと思っています。
幸い私にはチャプレンの知り合いが沢山います。キリスト教学校で働いてきたので、上司は常にチャプレンでしたし、キリスト教学校のネットワークの中で沢山のチャプレンと出会ってきました。学校のチャプレンが聖書に基づいて学校の方向性を定め、学校のために祈り、学校で行う宗教活動を導いていく、という姿を目の当たりにしているので、学校と企業という違いはあれど、その人たちを模範にしていけば良いと思っています。
私のビジョンは「あり得ないほどのスケールで祝福を広げる」ことです。教会の中にとどまっているより、フィールドに出ていた方が私らしく生きられるかもしれない、とも期待しています。
Hさんとチームになろうと思ったのは、Hさんが私の持っていない強みを持っていたからです。お互いが別々の強みを持っているから私たち二人は最強だ、と思っていました。
そして、Tさんには私にもHさんにもない強みがありました。教会や社会の歴史を汲み、流れを読み、分析していくという強みです。それはそれまでの私たちにはなかったバランス感覚を与え、謙遜さを養ってくれるものでした。いまは私たち三人は最強だ、と思っています。
ちなみに神学には四つの分野(聖書神学、組織神学、実践神学、歴史神学)がありますが、私の専門としているキリスト教倫理は組織神学にあたります。専門ではありませんが聖書神学もかなり好きです。私(組織神学、おまけで聖書神学)、Hさん(実践神学)、Tさん(歴史神学)と考えると神学の四分野を網羅しているのでやっぱり最強だ、と思います。
ただ、私の専門はあくまで組織神学なので、聖書神学はおまけです。聖書神学が強い人が仲間になったら最強は強化されるなぁと思っています。(最強は更新されていきます)
そして、仲間は多い方がいい、とも思っています。同じビジョンを持ち、一緒に働いてくれる人があらわれることを祈っています。
3月に顔合わせでラーメンカフェ(下の写真)に行き、4月から一緒にヨハネの福音書を読み始めています。
ひたすらヨハネを読み進め、分かち合い、祈る、というやっていることだけ見れば地味なミーティング(私はこういう地味な学びがとてもとても好きです)ですが、御国へのワクワクがつまっています。